2011年5月30日月曜日

映画 『ブルーヴァレンタイン』


                                                              
                                                          Blue Valentine

            
あらすじ):ディーンとシンディ夫婦は娘のフランキーとの三人暮らし。長年の勉強のすえ資格を取り、看護師として忙しなく働く妻のシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)と、朝からビールを飲みながらペンキ塗りの仕事をするディーン(ライアン・コリンズ)。もっと自分を高める努力をして、きちんとした仕事に就いて欲しいとシンディは夫に対して思っているが、最低限の仕事をして少しでも多くの時間を家族と過ごす事が一番大事だというディーンとの溝は深まるばかり。2人の出会いは、シンディは医学生、ディーンは引っ越しのアルバイトで生計を立てていた頃。不釣り合いな2人だったが、ディーンのどこか飄々とした生き方と明るさにシンディは惹かれていった。若く夢があり、お互いに相手に夢中で毎日が輝いていた幸せな日々…。そんな2人の過去と現在が交錯しながら、愛の終りと誕生が重なり合う、切ない慟哭のラストへと向かっていく。(オフィシャルより抜粋)

 トム・ウェイツの楽曲名と同じタイトルの映画『ブルーヴァレンタイン』、音楽好きには必見!という声を聞いていて、ずっと観たかった映画です。上映は5月いっぱいみたいなのですが、ラスト三日間の上映時間が、ちょうど観に行ける時間帯だったので行ってまいりました!出来るだけ、ネタばれしたくないので、自分なりの感想をポンポンと書いていこうかなぁ、と思います。

 本編はディーンとシンディ―、2人の気持ちの移り変わりを過去から現在にかけてメインでフォーカスし、それを鮮やかに交錯して進んでいきます。生い立ちから「結婚」に対して、なかなか希望が見いだせない2人。そんな2人が出逢い、恋に落ち、幼い感情を保ちながらも共に生きる事を選びます。幼稚であっても、恋に落ち、障害も乗り越え、眩い季節を育む2人は本当に観ていて、微笑ましいです。対して、現在の2人は生活を共にする上の現実に摩擦され、お互いに不満を持ち、喧嘩も絶えず、すれ違ってしまいます。まず、この「過去」と「現在」の映像のカラーが違います。若く眩しい季節、は色鮮やかに描かれ、現実に疲れた現在、はその名の通りブルーがかって描かれています。この「陽」と「陰」の対比、交錯がなんとも時の流れの残酷さを克明に描き、より一層過ぎ去りし日々を鮮やかなものに感じさせられます。でもこれは、ただ悲しくて残酷な現実だけを描いた物語でしょうか?2人の視点で映画は進みますが、登場人物は勿論2人だけではありません。子育てをしている、私の視点は必然的に幼い娘のフランキーにも寄ってしまいます。この映画の登場人物全てが、観ている人の心の中にもいるだろうし、娘のフランキーに子供の頃の2人を重ねる事も出来ると思います。美しい想い出や記憶だけでは勿論生きてはいけません。でもその思い通りにいかない現実の残酷さ、そして誰でも少し思い当たる、胸がツキンとするような恋心のリアリティ、観ている人の人生をも交錯させる、悲しいからこそ、美しい瞬間の刹那さをうまく描いた愛しい物語。私はディーンとシンディ、人間的にどちらも好きですが、悩み苦しみつつも子供に愛情をそそぐ現在の2人の方がもっと好きです。実体験として「愛」だけでは子供って育てられないし、その辺のけっこうな弊害は乗り越えてる2人なので、この物語は観る人の視点にも沿ってまだまだ続くのだな、と胸が熱くもなりました。ブルックリンのバンド、Grizzly Bearが担当した音楽も映画館の音響効果で更に秀逸でした。特にラストのエンドロールは圧巻で、もう一度映画館で観たい位です!アルバム『Yellow House』からの楽曲も多いものの、収録曲のインストver映画のみだけみたいなので、サントラの方もチェックしようと思います。観る人の見解や視点が、回を重ねる度に浮かんでくる長く愛していける映画だと思います。悩んでる人は是非映画館へ駆け込んでくださいね!

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